韓国では、選挙が近づくとテレビやSNSで見かける芸能人の行動に「ある変化」が起きます。それは、ジェスチャーや色、数字の使用が制限されること。実はこれ、「公職選挙法(공직선거법)」という法律に基づいた厳しいルールによるものなのです。
日本ではあまりなじみのないこの制度。この記事では、「韓国 選挙 芸能人 制限」というテーマで、なぜ芸能人が自由に振る舞えなくなるのか、その背景と理由を解説します。
ピースサインやグッドポーズが禁止される理由
韓国の芸能人やアイドルは、その影響力の強さから、政治的中立性を求められます。選挙期間中に何気なく行ったポーズや言動が「特定候補への支持」と誤解されることを防ぐために、法律で細かく制限されているのです。
特に問題視されるのが手のジェスチャー。
ピースサイン(Vサイン)
→ 候補者番号「2番」を示す行為と解釈される場合があります。
→ また、「Victory=勝利」を連想させ、特定の候補を応援しているように見えることも。
グッドポーズ(親指を立てる)
→ 候補者番号「1番」と関連付けられることがあります。
これらのポーズは日常的で無意識に出やすいものですが、選挙期間中は公的なメディア露出やSNSでの使用が避けられる傾向にあります。
「色」にも政治的な意味が?芸能人の衣装に注意
韓国では政党ごとに象徴カラーが存在し、選挙の際に広く使われます。これが芸能人の衣装やアイテム選びに影響するのです。
- 青色:共に民主党(進歩系)
- 赤色:国民の力(保守系)
- 緑色:正義党など少数政党
このため、選挙期間中にアイドルが青い衣装で登場したり、赤いグッズを持っていたりすると、「あの政党を応援しているのでは?」と誤解される可能性があるのです。
数字にも要注意!「2番ポーズ」で炎上することも
韓国の選挙では、各候補者に番号(1番・2番…)が割り当てられます。この番号がシンボルとして使われるため、芸能人が特定の数字を表現すると、それだけで選挙運動と見なされることも。
たとえば、
- 2本指を立てる
- 数字入りの服を着る
- 「3番」などのジェスチャー
こうした行為が、本人の意図とは関係なく、特定候補者の支持表明と解釈される可能性があるのです。実際に過去には、アイドルがVサインをしただけで政治的発言と受け止められ、SNSで炎上するケースもありました。
なぜそこまで厳しい?韓国の公職選挙法の目的
韓国では、選挙の公正性を確保するために非常に厳格な規制が敷かれています。特に、タレントやアイドルのように社会的影響力の大きな人物は、「公人」として特別な配慮を求められる存在です。
この制度の目的は明確です。
- 有名人による間接的な影響力の行使を防ぐ
- 一般有権者の公平な判断を守る
- 候補者間の不当な有利・不利を避ける
そのため、芸能人は選挙期間中、ジェスチャー・衣装・発言内容すべてに細心の注意を払うことが求められるのです。
まとめ|芸能人も「選挙モード」に入る韓国
韓国の選挙は、国民の政治参加意識が非常に高く、公正さへの要求も強い社会です。その中で、芸能人はファッションやポーズすら政治的なメッセージとして受け取られる可能性があります。
「ただのピースサイン」「なんとなく着た赤い服」が、政治的な意味を持ってしまう選挙期間。韓国の芸能人たちは、政治に巻き込まれないよう、徹底した注意を払って行動しているのです。
こうした背景を知ることで、K-POPアイドルや俳優たちの言動にも、より深い理解を持つことができるでしょう。
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