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韓国でいま読書がブーム|テキストヒップとは?2026年の最新データで解説

韓国の読書ブーム「テキストヒップ」を解説するアイキャッチ画像
目次

この記事でわかること

  • 韓国で起きている読書ブーム「텍스트힙(テキストヒップ)」とは何か
  • 2026年の最新データで見る、20代の読書率と書店数の意外な動き
  • ソウル国際ブックフェアが”オープンラン”になった理由
  • コンビニの「民音社パン」が40万個以上売れた背景
  • 「読書率は過去最低」というブームの逆説
  • 日本語で読める、話題の韓国文学3冊

K-POPでも韓国ドラマでもなく、いま韓国の20代がいちばん熱くなっているもの。それが「本」らしいんです📚

ブックフェアに徹夜で並ぶ、コンビニの文学コラボパンが品切れ続出、SNSには読んでいる本の写真があふれる……。正直、最初にこの話を聞いたときは「本当?」と思ったのですが、調べてみたら数字がしっかり出ていて驚きました。

この記事では、2026年6月〜9月に韓国で報じられた最新の情報をもとに、いま何が起きているのかを整理しました。日本語で読める話題の韓国文学も紹介しています🌸

韓国で本が「いちばんヒップ」に|テキストヒップとは

텍스트힙(テキストヒップ)は、英語の「text(文字・テキスト)」と「hip(かっこいい、イケてる)」を組み合わせた韓国の造語です。ざっくり言うと「本を読むことがおしゃれ」という価値観のこと。

ショート動画に慣れきった世代が、あえて分厚い紙の本を手に取り、カフェで読み、SNSに「今日読んだ本」を上げる。本が音楽やファッションと同じ自己表現のアイテムになっている、というのがこのトレンドの中心にある感覚です。

K-POPのアルバムを買って推しの世界観をシェアするのと、実はかなり近い動き方をしているんですよね。「好きなものを持ち歩いて見せる」という点では地続きだな、と感じました。

数字で見る2026年の読書ブーム

20代の読書率は75.3%|成人平均の約2倍

韓国・文化体育観光部の2025年国民読書実態調査によると、成人全体の年間総合読書率は38.5%。ところが年代別に見ると、20代は75.3%30代は66.4%と、全体平均を大きく上回っています。20代は成人平均のほぼ2倍です。

しかも青年層(19〜29歳)の読書率は前年比で0.8ポイント上昇しています。全体が下がるなかで若い世代だけが上がっている、という珍しい形なんです。

書店が増えている|全国1万203店

もうひとつ面白いのが書店の数です。2026年6月時点で韓国国内の書店は1万203店。前年同月の9,932店から2.7%増えました。前月比でも10店の増加です。

項目数字時点
成人の年間総合読書率38.5%(過去最低)2025年調査
20代の読書率75.3%2025年調査
30代の読書率66.4%2025年調査
韓国国内の書店数1万203店(前年比+2.7%)2026年6月
ソウル国際ブックフェア来場者約16万人(前年比+1万人)2026年6月

ちなみに2026年上半期のベストセラーは、総合トップ10のうち8冊が小説でした。前年同期は5冊だったので、小説の勢いがはっきり増しています。1位はアンディ・ウィアーの『プロジェクト・ヘイル・メアリー』で、紙の本・電子書籍の両方でトップという結果でした。

ソウル国際ブックフェアが”オープンラン”に

ブームがいちばん目に見える形で現れたのが、2026年6月24日〜28日に COEX で開かれたソウル国際ブックフェア(서울국제도서전)です。

  • 18か国・538の出版社と団体が参加(国内361・海外177)
  • 講演やサイン会など415のプログラムを開催
  • 5日間の来場者は約16万人で、前年より1万人増
  • 平日の午前7時から入場待ちの列ができる異例の事態に
  • 前夜からチケットのために並ぶ人も出て、初日午前には完売するブースが続出

K-POPのコンサートやポップアップでおなじみのオープンラン(開場と同時に走る)が、ブックフェアで起きているわけです。出版業界の推計では来場者の半分以上が20〜30代とされています。

来場者の平均購入冊数は2〜3冊以上。「書店では出合えない本に出合える」「作家から直接その本の背景を聞ける」という体験そのものが目当てになっているようです。

コンビニの「民音社パン」が大ヒット|読む文学から食べる文学へ

2026年8月21日、コンビニ大手GS25が老舗出版社・民音社(ミヌムサ)とコラボしたパン、通称「민음사 빵(民音社パン)」を発売しました。世界文学全集やエッセイをモチーフにした商品で、パッケージには20種類のしおりがランダムで封入されています。

  • 発売から10日間で33万個以上を販売(8月21日〜30日)
  • 9月3日時点の累計は約49万個
  • 購買客の半数以上が20〜30代女性(20代女性26%・30代女性25%)
  • 入荷分がほぼ完売する店舗が続出

しおり目当てにパンを買う、という流れですね。SNSでは関連動画が66万回以上再生されたとも報じられています。

この流れは他の業界にも広がっていて、外食大手アワーホームは書店チェーンの永豊文庫と組み、鍾閣にポップアップ「TAKE BookClub」を展開。『白鯨』のクラムチャウダー、『深夜食堂』のソーセージナポリタンなど、文学作品に登場する料理をメニュー化しています。

ファッション系ECでも本まわりの雑貨が伸びていて、29CMでは書籍関連アクセサリーの取扱高が1〜8月で前年比30%増、W conceptでは6月〜8月で約80%増を記録しました。しおり、ブックカバー、読書灯……本が「推しグッズ」的な消費に接続しているのがよくわかります。

ブームの逆説|読書率は過去最低という現実

ただ、この話には裏側もあります。ここを書かないとフェアじゃないと思うので、正直に触れますね。

成人の年間総合読書率38.5%は、2023年の前回調査から4.5ポイント下がった過去最低の数字です。成人の年間読書量も2.4冊まで落ちています。「成人の10人に6人は年に1冊も本を読まない」というのが韓国の現状なんです。

出版社の経営も楽ではありません。2026年9月には、出版企業72社の売上が前年比1.3%減、単行本出版社22社に限ると6.9%減という数字が報じられ、大手文芸出版社である文学トンネ(문학동네)の経営権売却が進んでいることも話題になりました。

韓国の評論家の間でも評価は割れています。「本を身近に置くきっかけになる」と前向きに見る声がある一方で、「グッズ消費が実際の読書につながるかは疑問」という指摘もあります。

個人的には、入口がグッズでも本屋に足が向くならいいのでは……と思う派です。K-POPだって、最初はビジュアルから入って気づいたら歌詞を読み込んでいた、という人も多いですしね😌

韓国文学は海外でも過去最高|5年で358万部

国内のブームと並行して、韓国文学の海外での売れ行きも過去最高を記録しています。韓国文学翻訳院の集計によると、2025年の海外販売部数は119万7,557部で、2年連続の約120万部。

  • 2021〜2025年の5年累計:約358万部(40の言語圏・1,026タイトル)
  • 5,000部以上売れた本:50タイトル(うち1万部以上は28タイトル)
  • 最多はハン・ガン『別れを告げない』で、13か国・3年間で約30万部
  • ファン・ボルム『ようこそ、ヒュナム洞書店へ』は約8万8,000部
  • キム・ホヨン『不便なコンビニ』は約6万6,000部

ハン・ガンさんのノーベル文学賞受賞をきっかけに広がった関心が、特定の1冊で終わらず、他の作家にも波及しているのが今の流れです。

日本語で読める話題の韓国文学3冊

「気になるけど韓国語はまだ厳しい……」という方へ。上で名前が挙がった3冊は、いずれも日本語訳が出ています。どれも韓国の書店で長く売れ続けているタイトルです📖

『別れを告げない』ハン・ガン(白水社)

ノーベル文学賞作家ハン・ガンさんの長編で、済州島の歴史をめぐる物語です。斎藤真理子さんの翻訳。海外販売部数でも韓国文学のトップに立っている1冊なので、「まず1冊」を選ぶならここからでも間違いないと思います。

『ようこそ、ヒュナム洞書店へ』ファン・ボルム(集英社)

ソウルの片隅にある小さな書店を舞台にした、やさしい雰囲気の物語。牧野美加さんの翻訳です。まさに今の「書店ブーム」の空気そのものという感じの作品で、読書ブームの入門編としてもおすすめしやすい1冊です。

『不便なコンビニ』キム・ホヨン(小学館)

ソウルの小さなコンビニに集まる人々を描いた連作短編。米津篤八さんの翻訳で、続編『不便なコンビニ2』も出ています。韓国では社会現象クラスのベストセラーになった作品で、サクサク読めるので韓国文学がはじめての方にも合うと思います。

渡韓するなら|本まわりの楽しみ方

  • ソウル国際ブックフェア:毎年6月にCOEXで開催。2026年は6月24日〜28日でした。行くなら早めのチケット確保と、朝イチ入場の覚悟を
  • 大型書店:教保文庫や永豊文庫の大型店は、文具・雑貨も充実していておみやげ探しにも便利です
  • 独立書店:書店数が増えている背景には、個性的な独立系書店の存在も。カフェ併設のお店も多いです
  • コンビニ:民音社パンのような文学コラボ商品は期間限定なので、見つけたら即確保が正解です

秋の渡韓を考えている方は、ソウルの紅葉の見頃ガイドとあわせて予定を組むと、紅葉+書店めぐりという最高の組み合わせになります🍁 遠征の準備全般はK-POP遠征完全ガイドもどうぞ。

読書ブームを語るための韓国語

韓国語読み方意味
텍스트힙テクストヒプテキストヒップ(本=おしゃれ)
독서トクソ読書
서점ソジョム書店
책갈피チェッカルピしおり
필사ピルサ書き写し(文章の筆写)
북토크プクトクブックトーク(作家との対話イベント)
독서모임トクソモイム読書会

いつか韓国語の原書で読んでみたい、という方は挫折しない韓国語学習ロードマップが参考になるはずです。アイドルが実際に使っている教材が気になる方はカズハのTOPIK単語帳の記事もどうぞ。

まとめ:グッズから始まる読書もアリ

  • 「텍스트힙」=本を読むことがおしゃれ、という韓国発のトレンド
  • 成人全体の読書率は38.5%で過去最低。一方で20代は75.3%と平均の約2倍
  • 書店は増加中で、2026年6月時点で全国1万203店(前年比+2.7%)
  • ソウル国際ブックフェアは来場者約16万人でオープンラン状態
  • 民音社パンは9月3日時点で累計約49万個。買い手の半数以上が20〜30代女性
  • 韓国文学の海外販売は5年で358万部と過去最高
  • 『別れを告げない』『ようこそ、ヒュナム洞書店へ』『不便なコンビニ』は日本語で読めます

調べてみてわかったのですが、このブームは「読書量が増えた」話ではなく、本が文化的な記号になった話なんだな、と思いました。だからこそパンやしおりや書店の写真が主役になる。それでも書店が増えているという事実は、ちゃんと本の側にも返っているということだと感じます。

K-vibinでは韓国のカルチャー・トレンド・推し活の情報を随時更新しています。K-vibin運営者のプロフィールもあわせてご覧ください。

よくある質問

テキストヒップ(텍스트힙)とはどういう意味ですか?

英語の「text(文字・テキスト)」と「hip(イケている)」を組み合わせた韓国の造語で、本を読むことや本を持ち歩くことがおしゃれだとされる価値観を指します。SNSに読んでいる本を投稿する文化と結びついて広がりました。

韓国の若者は本当に本を読んでいるのですか?

2025年の国民読書実態調査では、成人全体の年間総合読書率が38.5%と過去最低だった一方、20代は75.3%、30代は66.4%と平均を大きく上回りました。全体では読書離れが進む中で、若い世代だけが高い水準を保っているという状況です。

民音社パンとは何ですか?日本でも買えますか?

コンビニのGS25と出版社・民音社がコラボした、文学作品をモチーフにしたパンです。20種類のしおりがランダムで封入され、9月3日時点で累計約49万個が売れました。韓国国内のGS25限定の商品で、日本では販売されていません。

ソウル国際ブックフェアはいつ開催されますか?

例年6月にCOEX(三成)で開催されます。2026年は6月24日から28日までの5日間で、18か国538の出版社・団体が参加し、約16万人が来場しました。近年は入場待ちの行列ができるため、チケットは早めの確保がおすすめです。

日本語で読める韓国文学のおすすめはありますか?

ハン・ガン『別れを告げない』(白水社)、ファン・ボルム『ようこそ、ヒュナム洞書店へ』(集英社)、キム・ホヨン『不便なコンビニ』(小学館)はいずれも日本語訳が出ています。3冊とも韓国文学の海外販売部数で上位に入る人気作です。

※本記事の数字は2026年6月〜9月に韓国で報じられた各種調査・報道にもとづくものです。読書率は韓国・文化体育観光部の2025年国民読書実態調査、書店数は2026年6月時点、販売数量は各報道時点の数値です。商品の販売状況やイベントの開催内容は変更される場合があります。

更新履歴:2026年9月14日 初稿公開

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この記事を書いた人

都内在住の20代会社員。韓国アイドルのコンテンツを毎日チェックするほどの韓国カルチャー好きです。K-POP・韓国コスメ・推し活の実用情報を中心に、同じ沼にいる方の役に立つ情報をまとめています。「好きだから調べた」を発信するブログ「K-vibin」を運営中。

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